2014年2月にバレーボール日本男子代表監督に就任した南部正司監督は、FIVBワールドカップバレーボール2015に臨むにあたって新たな試みを行いました。
2015年4月20日に「次世代の日本代表のリーダーにならないといけない。中心選手になるという責任感を持ってもらう」という狙いで、石川祐希、柳田将洋、高橋健太郎、山内晶大の4選手を『NEXT(ネクスト)4』と命名することを発表。
彼らの動向を前後編に分けて紹介します。
海外経験を積んで飛躍した石川裕希
小学4年生からバレーボールを始めた石川祐希選手は、星城高等学校在校時、2012年・2013年の2年連続での高校三冠に大きく貢献する活躍を見せました
2014年4月に中央大学に進学し、同年6月に東京オリンピックに向けた強化指定選手である『TeamCORE』のメンバーに選出されました。そして同年9月にはアジア大会に出場してシニアデビューを果たしました。
2014年8月にイタリアのセリエAのパッラヴォーラ・モデナとの契約が発表され、3か月間の留学でイタリアならではの高さやスピード、パワーを体感して、オールラウンダーとして成長しました。
FIVBワールドカップバレーボール2015では、初戦のエジプト戦でサービスエース2本を含むチーム最多の24得点で勝利に貢献。その後は厳しくマークされてブロックされたり、サーブで狙われたりしましたが、主将の清水邦広選手とともにエースアタッカーとして活躍しました。
2016年から2017年にかけての約3か月間、イタリアのセリエA1のトップバレーラティーナに派遣されて、さらに海外経験を積みました。しかし度重なる負傷の影響もあって、2018年の5月開幕のネーションズリーグを欠場します。
コンディションを整えて出場した2018年の世界バレーボール選手権は、セッターとのコンビネーション不足や不慣れなポジションでのプレーもあってあまり活躍できませんでした。
タフな精神力でチームをけん引する柳田将洋
両親の影響でバレーボールを始めた柳田将洋選手は、東洋高等学校在校時、主将として出場した第41回全国高等学校バレーボール選抜優勝大会で優勝しました
2011年4月に慶應義塾大学に進学し、2013年に全日本メンバーに登録されます。2014年6月に『TeamCORE』のメンバーに選出され、同年10月にV・プレミアリーグのサントリー・サンバーズへの入団が発表されました。
FIVBワールドカップバレーボール2015では持ち前のクレバーな技巧派としてのプレーを披露し、石川選手とともに強烈なをスパイクサーブで観客を沸かせました。また必死のレシーブで粘りのバレーも体現しました。
世界舞台での活躍を糧にして、Vプレミアリーグの2015/2016レギュラーラウンドでは全試合に出場し、最優秀新人賞を受賞しました。さらなるレベルアップを求めて、2017年6月にドイツのブンデスリーガ1部のTVインガーソル・ビュールへの移籍を発表しました。
2018年3月には日本人選手としては初の快挙となるDVV-POKAL決勝戦に出場します。試合には敗れましたが、この試合で両チームを合わせて最多得点となる13ポイントをマークして、MVPを受賞。
そして同年4月にはタフな精神力とリーダーシップを見込まれて、バレーボール日本男子代表の主将に就任します。2018年の世界バレーボール選手権では苦戦が続く中でチームメイトを鼓舞し、苦しい状態で上がるトスからのアタックを何本も決めました。